次の日、昼休みに携帯を開くと悠真からメールが来ていて、内容は今日の放課後迎えに行くという事と、裏門の近くで待っているという内容だった。





裏門で待ってくれるというのは正直ありがたい。




もしあんなあきらかにあっち系の車を正面の門になんて停められたら、それこそ注目のまとだ。




しかも悠真と琉聖、特に梓なんかが乗っていたら目立って仕方ない。




シルバーナイトと関わるようになって、いかに周りの人達がシルバーナイトの話をしているのかが分かるようになった。




それは、学校や街や様々な所で。




自然と耳に入ってくるその内容は、男は憧れ女は夢中になる。そんな話しばかり…




それほど彼らは人を引きつけ…そして魅了しているらしい。




シルバーナイトの事は前々から知ってはいたが、そんな噂に耳を傾ける事なんてなかった。興味を持つなんて以ての外だ。




それなのに今こうして誰かが話していると気になってしまい…何故だか聞きたくなる。




「莉愛ちゃん、おかえり」



「ただいま」




「ただいま」という言葉が何だかくすぐったい。いつぶりに言っただろうか…家でも一人、間宮の家にいた時もほとんど言ったことなんてない。




指定された通り、放課後裏門へ行くと少し離れた所であの黒塗りの車が待っていて、




車のドアを開けると、助手席には悠真。運転席にはやっぱりあの赤髪の兄ちゃん。




後部座席には今日は誰もいなかった。
琉聖も梓もいない。




てっきりこの三人は、三人で一つみたいな感じだと思ってたからいつも一緒にいるような気がしてた。




だけど今日は悠真だけの所を見ると、どうやらそうでもないらしい。




後部座席に乗り込みドアを閉めると流れるように車は発進した。