「お前なんか用済みだ。この、化け物」



薄暗い長屋。




その中に横たわるのは一人の少女。



足からだらだらと流れる血を、ただじっと見つめている。



いま、男に言われた言葉なんて特に気にしていない様子だった。


かといって負傷した自分の足を気にしているようでもない。




何も映らない瞳を男に向けて、少女はほほ笑んだ。








「――――お大事に。」