「たしか、この辺り……」 手元の紙から顔を上げ、辺りを見回した。 まだそれっぽい長屋は見つからない。 この地図、ちょっと雑だな。 京の町はただでさえ複雑なのに。 人知れずため息をつき、再び歩を進める。 足は、五日で歩けるようになった。 その二日後には、完治した。 治りが他の人より少しだけ早いのも、あたしが化け物って呼ばれる理由の一つ。 もう一つは、 あたしには傷を治す力がある。