『あんたが信じまいと関係ないからな』

 津田さんの冷ややかな声が遠くから聴こえていた。クリスマスイヴって単語がどこかに在った気もする。その後どうやって家に帰ったのか、階段を昇って自分の部屋に辿り着いたかも記憶がない。
 

 本能が、考えることも感情も遮断してしまったみたいに。
 悲しいのか痛いのか。麻痺していてよく分からない。
 心臓が石になって血管には砂が流れてる。


 家族に心配をかけたくない・・・ただそれだけが、わたしを動かしてる。
 機械のように。笑うこと食べること、会社に行くこと。三つを繰り返す。




 砂が流れ続けるわたしの躰は。


 きっといつか壊れる。


 壊れてしまうなら。


 大好きな人のために、壊れたい。

 
 

 せめて、最後は。