図書委員の仕事が終わって、私は携帯を確認した。



『下駄箱にて片倉発見。話して待っとくね』



深優からのメッセージだった。


よかった、見つけられたんだ。



急いで行かないと。



私は荷物を持って、昇降口に向かった。



到着すると、深優と壱が並んで床に座り、楽しそうに話していた。



壱のあの笑顔、嘘偽りのない、心から楽しんでる笑顔だ。



それを見て、胸がザワザワした。



「おーい、由依ー」



遠くで2人を眺めていたはずなのに、深優が私に気付いた。



私はらしくない嫉妬心を隠すよう笑顔を作り、2人に近付く。



「ごめんね、遅くなった」


「いや、正直もっと遅くなると思ってたから、気にすんな」



壱は、深優にも見せてた笑顔を、私にも向けた。



これは、私にしか向けられないものだって、勝手に思ってた。


こんな嫉妬するってことは、やっぱりまだ壱のことが好きなの……?