週が開けて学校が始まっても、まだあたしは夢の中にいるような気持ちだった。
というか、すべてが夢だったどうしようかと思って教室へ入ったんだけれど。
すでに登校していた怜央くんに「おはよ」って微笑まれて、心臓が破裂するかと思った。
夢じゃなかった?
この人が、本当にあたしに彼氏なの?
繰り返し何度も心の中で確認しては、そわそわして落ち着かないのが正直なところだった。
その日の2時間目と3時間目の間に、校内の多目的ホールで教材の販売が行われた。
あたしは凪咲ちゃんと連れ立って向かうと、そこにはすでに人の群れが出来ていた。
封筒にお金は入っていて、それと引き換えに教材をもらうだけなのだけど、みんな少ない休み時間を無駄にしたくないのか我さきにと順番も無視している様子。