そして体育祭当日。


体育祭日和のいいお天気に恵まれた。


こんなに楽しみな体育祭は初めてかもしれない。


準備に関わってきたからなのはもちろん、怜央くんとの距離もグッと縮まったから。



委員は、みんなの登校時間よりも1時間早く集合することになっている。


7時に学校へ着くと、もう校庭で作業をしている先生や生徒の姿があった。


その中に怜央くんの姿を見つける。


ふふふっ、怜央くん今日も張り切ってるな。


そんな姿に目を細めながら、近づいていくと。



「怜央くん!」



あたしを追い抜かすように走っていく女の子の姿。


ふわふわのポニーテールを揺らすその姿は……。



「中野……?」



驚いたような声を出す怜央くん。


あたしも同じ。


どうしてすみれちゃんがここにいるのか、一瞬わからなくて。


あたしの足は鈍くなり、ふたりの少し手前で止まってしまう。