「はぁっ……はぁっ……っ」



あたしは今、学校に向かって全力疾走していた。



今日は高校2年生の始業式。


なのに、あろうことか寝坊してしまったのだ。


なんとか頑張れば、チャイムまでに間に合うかもしない。


そう思い、最寄りの駅から休むことなく走り続けていたとき────



キィィィィィーーーーーーッ!!!!



曲がり角から突然自転車が現れて。



「……っ、きゃっ」


「うわあああっ……!」



───ガシャンッ……!


あたしは勢いを止めることができず、自転車とぶつかってしまった。