*
あっという間に時間が過ぎて、学校が始まった。
久しぶりの学校。久しぶりのクラスメイト。変わらない笑顔と、変わらない風景。
その中に入っていく恐怖。教室前まで来たわけだけど、やっぱり躊躇してしまう。
「入るの? 入らないの?」
ドアの前で突っ立っていたら、後ろからクラスメイトの女子が腕を組んで見ていた。
「あ。ごめん……」
私は一歩退いて、塞いでいたドアから離れる。
人気者の彼女は、あの日私に怒ってくれた人。
隣にいる委員長を泣かせてしまい、関係が悪化した。私が原因で。
私を怒った彼女が、私を許すはずがない。
でも……。
『ありすみたいな奴だったら、すぐ友達出来るって』
勝手に勇気なんて与えてくるから、頑張りたくなるじゃない。本当にムカつく。至に動かされるなんて、本当に……。