まぶしい陽射しに今が朝なのだとやっと理解できて、目を開けた。
 目を覚ますと隣に寝ている美しい人に抱き寄せられた。

「ん……花音。もう食べられないよ。」

「フフッ。どんな夢見てるのかしら。」

 前に未遂で終わった時とは比べ物にならないくらい優しく触れる彼はものすごく艶っぽくて色っぽくて……もう。もう。

 明るい陽射しに照らされて、何もかもを暴かれたみたいに恥ずかしい。
 思い出すだけで赤面する私に「おはよ」と寝ぼけたような声をかけられた。

「おはようございます。」

 ヤダ。冷静になればなるほど恥ずかしい。

 午前中から早退して、それからシャワーを浴びて……ううん。このマンションに来てからずっと。
 彼は本当に私を離してくれなくて……。

「ん……可愛い。
 花音。昨日の台詞もう一度聞きたいな。」

「な、何を。言えるわけないです。」

「ん?どのことを言ってるの?」

「それは……。」

 どれだろうと言えない。
 彼の情熱に浮かされて恥ずかしい言葉をたくさん言ってしまっている。

「もしかして焦らし過ぎて花音から求めちゃったこと?」

「く、倉林支社長!!」

「まだそっちで呼ぶわけ?
 そんな娘にはお仕置きだよ?」

 悪戯っぽい顔をした彼におののいて慌てて口を開いた。