ある日の放課後のこと。


「ねー雛乃、今日ひまー?」

「あ、うん。ひまだよ。どうかしたの?」


自分の席で帰る準備をしていると、杏奈が声をかけてきた。



「ちょっとさー、買い物付き合ってほしいんだけどいい?」


「うん、全然大丈夫だよ。晩ご飯作らなきゃいけないから、あんまり遅くまでは厳しいけど」


「そうねー。あんま遅くまで雛乃を振り回すと榛名くんが黙ってなさそう」



あ、そうだ。
遅くならないとは思うけど、いちおう榛名くんに連絡入れとこう。


メッセージで杏奈と出かけてくることだけを送っておいた。



「なになにー、榛名くんに連絡?」

「う、うん。心配するかなぁと思って」


いつも授業終わったらすぐ家に帰ってるし、寄り道するのはスーパーくらいだから。



「はぁぁぁお熱いね〜。ラブラブでなにより」


こうして、杏奈と駅のほうで買い物をすることになった。