『言葉は世界をつなぐ平和の礎』


2年前、胸の中に突如ストンっと落ちてきたそのフレーズは、当時カラカラに乾いていた私の心に一粒の水滴をもたらした。


私は良くも悪くもどこにでもいる平凡な人間で、決められた安全で平坦なレールの上を何も考えずにただ歩いていた。自分の将来を深く考えたことはない。


ぬるま湯につかっているような人生、という言葉がぴったりだろう。


人に誇れるような特技もないし、これといってやりたいこともない。


けれど、家から近いという理由だけで決めた高校も2年に進級すると、周りは今後の進路をあれこれ口にするようになった。


高校を卒業したらどこかの大学に進学すればいいと投げやりな気持ちでいた私は焦った。