詩side

星竜の星姫になってあっという間に

2週間が過ぎました〜

楽しければ楽しいほど

時間の流れを早いと感じる今日この頃です!

放課後の今、倉庫に行く前に寄る所が

あってね〜

楽しくお話しながら歩いてます!

内容はほとんどバイクの話か族の話…

「錬さん、今度新しいパーツ出るみたいっすよ!」

「おぅ!まじで?次のメンテナンスで
パーツ替えすっかなぁ〜!
お前も俺と同じ車種だし、おそろで
替えようぜぇ〜」

「はい!是非!」

でも私の知らない世界を教えてくれるから

すっごく嬉しいし、楽しいのっ!

ちなみに今日のメンバーは…

錬と冬、それから下っ端3名の計5人

学校と倉庫の中間くらいの場所にある

大型スーパーに来てま〜す!

柴崎凛(しばさきりん)くん、通称凛くんと

江川幸太(えがわこうた)くん、通称幸くん

田中宏人(たなかひろと)くん、通称宏くん

下っ端の3人はまだ中学3年生なんだけど

すっごく大きいんだよ!

成長がストップした私としては

羨ましい限りです…トホホ

みんな180センチ位だから

会話しているのを下から見上げないと

いけないから首が悲鳴を上げてるの!

この2週間ずっとだよ!?

そりゃ首もゴリゴリになるはずだよ…

首を摩りながら歩いている私に神の声が!

「見上げてばっかで疲れたんか?詩。
抱っこしてやろうか?」

金髪モヒカンの錬様です!

笑顔で大きく頷くと、片手に抱き上げて

くれました〜!

みんなと同じ視線になれて首も楽になり

私は超ハッピー!ふふふ〜!

そんな気分上々の私をドン底へ

突き落とすお言葉…それは…

「北斗にバレたら八つ裂きにされちまう。
この事はここだけの秘密だからな!」

「…(コク)」

苦笑する錬と頷く冬

そして青ざめて言葉を失い

互いを抱きしめ合う3人…

≪大型犬が震えるの図≫

そうなる理由はただひとつ…

何故か北斗以外の人が抱き上げるのは

星竜ではタブーなんだって!

とにかく北斗がブチギレるらしいの…

なんで北斗はよくて、他はダメなの?

私がなんで?と何度聞いても

駄目だと一蹴する北斗

そのバトルがこの2週間ずっとです…

納得出来る内容なら私もきちんと

聞くのにさぁ〜

何も言わず、ただ駄目の一言なんだもん!

頬を膨らませて納得出来ないアピール

そんな私に苦笑する5人

「(誰にも触れさせたくないっていう
独占欲の表れ…ひいては惚れてるから
なんだけど、気付いてないよな〜
この姫は…北斗の気持ちに)」

と、ぷりぷり怒る私を見て、5人は

心の中で思っていたのでした…

スーパーに到着した私達は

大量のかごに食材やら飲み物を

ポイポイ放り込む

適当に放り込んでるんじゃないよ?

私が作成したお買い物リストに沿って

入れてます!

星姫として、私として

みんなに出来ることを考えてみた結果が

コレなの!

名付けて【同じ釜の飯を食べる!】

だから、毎日ローテーションで

買い出しに来てるの!

倉庫で寝泊まりするみんなのご飯の為にね!

同じ釜の飯なんて…と

古臭いって思ったそこの人!

ノンノンノンッ!!

同じ物を食べて同じ時間を過ごすのって

すっごく大事なんだよ?

そういうのを共有し合うのは

お互いがお互いを知り理解する上で

すっごく大事…

そうする事で互いに支え合って

足りないものを補い合うことができるし

協力出来るから、向かうとこ敵なしなの!

コミュニケーションのひとつとも

言えるけど、私の考えはね〜

それは仲間を知ることだって思った

星竜は元々仲良しで優しい人達の集まり

温かい場所なんだけど…

それ故、仲間を想って心の中を

全て曝け出さないようにしてる

心配掛けたくない…

迷惑掛けたくない…

同情されたくない…

そして周りもそこに敢えて

踏み込まないようにしてるの

優しいから…

負ってしまった傷をこれ以上

深くしないようにって…

だから仲良しだけど、仲間内にも

知らないうちに、うっすら線を引いてる

私もそこにズカズカと足を踏み込むなんて

デリカシーのかけらもないことは

しないよ?

だけど、自分のことを知っていてくれる

人が1人でも多くいたら

これほど心強いものはないでしょ?

その1人に私はなりたいの

辛いことは辛い、悲しいことは悲しいと

吐き出せる場所でありたい

そのためにもうひとつ私がしたこと…

それは星竜全ての仲間の顔と

名前を覚えること!

大きな括りでは下っ端って言われてるけど

1人1人きちんと名前があるんだよ?

下っ端が名前じゃないの

みんなの心の盾になる為には

1人1人をきちんと見なくちゃって思って

この2週間で覚えたけど…

なにせ人数が半端なかったよ!

200人だよ!?

全部を覚えた頃には

頭から湯気が出てるんじゃ!?って

思うくらいだったんだよ〜

詩、頑張りました!

でもね、みんなの抱えるものに

比べれば、そんな事全然苦に思わなかった

不思議なことにね!

姿形がそれぞれ違うように

抱えるものも1人1人違う

だから…

誰か1人でも寄り添ってくれる人がいる…

そう思える人がいるだけで

心が安らいで

荒れ狂う波を静めてくれる

私にとって園長先生がそうだったように

星竜のみんなにとっては私が

そういう姫でありたいって思ったんだ!

みんなの心の盾になれる姫…

そして私は私らしく自然体で!!

星姫として、私として出来ることを

ひとつずつ増やしていきたい

それが星姫としての誇りで

存在意義だと思うから…