あの夢のような出来事があってから、1週間以上が過ぎていた。

あれから1度も先輩には会えていない。

おかげで、私の心は酸素欠乏症気味。

こんな私が、先輩の彼女って、そんなだいそれた立場になっていいのだろうか。

本当にただのファンとして遠くからそっと見ていたかった。

私は見ているだけで、大満足のはずだったのに。

自分から、あんなことするなんて。

告白だけならまだしも、キスしてしまうなんて。

それに、先輩の気持ちがわからない。

どうしてあの時、付き合おうかって言ってくれたの?

私のことが、可哀そうって思ったのかな?

その場のノリとか?先輩、思ったよりも軽そうだったし。

私が初めて見た先輩のイメージは、女の子なんか寄せ付けないようなクールで凛とした美しいバスケットマン、それが彼だと思っていた。

後から彼の噂を聞くと、私のイメージとは程遠く、軟派でプレイボーイな側面ばかりが耳に入ってきた。