アキちゃんから、電話があったのはその日の夕方のことだった。

「すずなー、凄いじゃん。すずなの彼氏って凄いスターなんだね」

いきなりの電話に戸惑っていた私は、おもわず、うんと頷いてしまう。

ここは、謙遜しなきゃいけないところなんだろうけれど、私のつばさ先輩は完璧すぎて謙遜するところなんて、なんにも思い浮かばない。

「ねえ、あんな人どうやってオトシたの?すずなったらおとなしい顔してやっぱ、凄いよね」

アキちゃんのトゲのある言葉に思わず黙り込む。

「次は、決勝戦でうちの学校とあたるらしいね。私達3人も、会場に応援にいくからその時に会おうよ」

「え、う、うん」

私はぎこちない返事しか出来ない。

「みんな喜ぶよー。だって高校入ってからすずなに全然会えないから寂しがってたんだよ」