そして、なにも言わずにチャイムが鳴るまで抱き合いながら、青空を見上げるとひとつ小さなため息がでた。

可哀想に、彼女、全然俺に怒らないし、まだ言いたいことの半分も言えないみたいだ。

遠慮してるのかな、もしそうだとしたら全部俺のせいだけど。

だけど、彼女とは喧嘩したくないし。

まあ、これから彼女を不安にさせたりしなきゃいいんだよな。

実際桜とはちゃんと別れてるし、ヨリを戻すつもりも、もう全然ない。

蒼井さんを大切にしょう、ちゃんと。

もう、泣かせたくないから。