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好きになった人はオオカミでした。-さくらの血契・外伝-【まとめ版・完】

数年ぶりの実家です。



「兄さん!」


「おー」
 

実家に帰ると、一つ年下の弟の正基(まさき)が家の前で手を振っていた。


相変わらず子犬みてーな奴。


「おかえりっ」


「……ただいま。随分背ぇ伸びたな」
 

俺が絶縁されたのが三年前。


それ以来一度も帰っていなかったから、三年ぶりに逢うってことだな。


「そのうち兄さんを追い越すよ。ねえ兄さん、今日帰って来てくれたのって……」


「ん? ああ、じいさんに話すことがあってな」


「……うちに戻ってくれる、とか?」
 

正基の声には期待が見える。


俺ははっきりした返事が出来ない。


祖父の対応いかんによっても、今後の俺の方針が変わってくる。


「お前には先に言って置く。俺、結婚を考えてる人がいる。そのことで話しに来た」


「……………え?」


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