ケータイ小説 野いちご

好きになった人はオオカミでした。-さくらの血契・外伝-【まとめ版・完】

ちーちゃんにはヒミツな話です。



「ちーちゃんのお父さんになら殴られるよ?」
 

人の少ない中庭に移動して、俺は宣言した。


ちーちゃんのお父さんになら、いくら殴られても文句は言わない。


そう言うと、ちーちゃんのお兄さんは「違う違う」と手を振った。


「俺も父さんも、正冬を殴る気なんかないって」


「つーか普通に名前で呼ぶね……」


「俺のことも空(たか)でいいよ。みんなそう呼ぶし」


「あー……じゃあ、空? 大学まで訪ねてくるってどうしたの。早めに挨拶に伺わなかったのは俺の落ち度だけど……」


「うん、ちーが大丈夫なヤツってどんなのかなーって気になってな」


「……ちーちゃんが大丈夫?」
 

どういう意味? 俺が首を傾げると、空は教えてくれた。


「ちーの周り――主に心名とかだけど、障害が多いだろ?」


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