「まあ、今回は目を瞑ってやるよ。
なんもないことを祈るわ」

本当、なんもないことを祈るわ。

ぎこちなくなる空気に耐えかねて、俺は立ち上がるとフェンスに寄り掛かる。


雷の指が、優しく美心を抱き締めた。

ぎこちなくなるなんて、無かった。

あの二人なら大丈夫ーーー。

嬉しい半分、悲しかった。