「おい、止めろよ。
困ってるだろう?」


一番言わなそうな金髪の男は、チャラ男を宥めた。


「バカだな、零(レイ)。
早川美心ちゃんだぞ、本当可愛い~‼」

チャラ男が、美心の顔を覗き込む。

近すぎな距離に、俺も雷も青筋が浮いた。

引き離そうとしたチャラ男の手を、掴んだのは、零と言う男だった。

「バカ、怯えてんじゃん。

すいません、怖がらせてーー。


ちゃんと、言っておきます。
行くぞ、アホ」


「ちょっ、アホってひどっ」

なんなんだ、あいつら。



金髪の男は、チャラ男を連れて保健室を出て行った。


チラリ、と美心を見ていた気がした。