小学五年生のときのこと。


新しいクラスにも慣れてきたゴールデンウィーク明けから何故か始まった、半月に一度の席替えの中、くじを引いても毎回毎回、偶然にも小沼くんと私は隣の席になってしまっていた。そうしてそれが三度目の頃から私は、クラスの女子からいじめられるようになった。


理由は……女子のリーダー格だった雅ちゃんの好きな人が小沼くんで、いつもいつも隣の席になる私のことが気にくわなかった、というのが、理不尽ではあったけどそれだった。


小沼くんは、体育も勉強の成績も良くて、当時人気だった子役に少し似ている整った顔立ちをしていて背も高い。大人びた普段と幼くなる笑顔のギャップもあり、小学生女子が憧れる要素てんこ盛りな男子だった。性格もがさつさがなく、男子が苦手だった私も、小沼くんの優しさに実際触れ、自然と仲良くなることが出来た。


たくさん話をするようになれば、冗談を言い合ったりするくらいにもなって。


……けど、それも雅ちゃんの視線を感じるたびに、どんどん苦しいものへと変わっていった。