私が千尋と千歳くんに会ったのは、6歳の時だった。




ちょうど小学校にはいるタイミングで、私たち家族が千尋たちの家の向かいに、隣町から引っ越したんだ。




住んでいたマンションを離れて見知らぬ土地の一軒家に住むことになったことを、当時の私がどう思ってたのかはもう思い出せないけれど、千尋と千歳くんのふたりにはじめて会った時のことは今も鮮明に覚えている。




越した次の日に、私はお母さんにつれられて、千尋と千歳くんのいる朝比奈家に挨拶にいったんだ。


右手はしっかりお母さんと手を繋いで、左手に朝比奈家の人達にあげるクッキーの詰め合わせをもって。



ドキドキ、していたと思う。幼いながらにも、一丁前に緊張していた。