わたしのパパとママは仲が良くて夫婦円満だった。


__何年か前までは


「俺との約束を破る気かおまえは!!」

パパの怒鳴り声で目が覚めた。まだ夜中の2時だ。

「お願い、もうこんなチャンス二度と来ないの。私の夢だったのよ。」



ママは小さい頃からモデルとして活躍していた。

高校生のときにファッションデザイナーであるパパの服に出会った。

そしてパパに出会った。

ママには夢があった。


『大きなランウェイを歩く』こと。


それはパパも知っていた。


クリスマスイブ、パパはママにプロポーズをした。

ママはもちろん首を縦に振った。

「結婚したらモデルを辞めてほしい。俺は世界で活躍したい。だから手伝ってほしい。」

パパはママの夢を知っていながら自分の夢を優先しようとした。

ママの顔色は変わった。

でもパパが好きだった。

自分の夢をすぐに諦めることは出来なかったが、結局パパを選んだ。


それから私が生まれて、本当に仲のいい家族だった。


__はずなのに

「もういい、離婚だ。」

家族がバラバラになった。