【如月李那side】
ーピピピ…
ーカシャ…
よかった、今日も体が動いた。
「李那?起きてる?」
「うん、起きてるよお母さん。」
「大丈夫?」
「うん、大丈夫。」
朝の第2声が大丈夫ってすごくない?私の家族。
私の名前は如月李那【キサラギリナ】
普通の家庭に生まれた普通の女の子…
私には皆と違うことがある。
それはある難病を抱えていること。
年齢は17。
夏生まれのO型。
顔もまあまあだと自分で思う。
病気を抱えてること以外はごく普通の高校生だ。
「李那、起きれる?」
「うん、大丈夫。」
「ならいいけど、階段落ちないようにね。」
「はーい。」
階段落ちないようにって…
この前彼氏にも同じこと言われたなあ。
まあ、彼氏の話は置いといて…
「…よっと…」
毎朝起き上がることがきつい。
でも学校には行きたい。
「…よし。」
毎朝の日課。今日も体が持ちますように。
見守っててね、お姉ちゃん。
私には姉が1人いた。
優しくて強くて綺麗なお姉ちゃんが。
私と同じ病気に罹っていたけど、お姉ちゃんは最後まで笑って死んでいった。
たったの、19歳で。
私もお姉ちゃんも遺伝性の病気だ。
妹にはこの病気が遺伝してなくて良かった、ほんとに。
姉の名前は如月奈那だった。
綺麗で賢かったお姉ちゃん。
妹の名前は如月美那【キサラギミナ】と言う。
誰に似たのか強気で生意気でかわいい女の子だ。