教室を後にしたその姿を見送ると教室の男子からはため息がでてきた。
｢北田、ほんとに清瀬が好きなんだな。ちょっと目先に清瀬がいただけなんだが、めっちゃ殺気飛ばされたわ｣
そう言って、自身の腕をさする男子に周りも苦笑いだ。
この四月に編入してきた北田悠という少年は、本来ならここに通う必要の無い男子。
その頭はIQ180でアメリカの最高峰マサチューセッツ工科大学の電子工学科の博士課程を収めたインテリである。
聞いたところによると、学生時代に開発したAIで一儲けしており、生活には困らないんだとか……
実に高校生らしくない男である。
