彼方くんと付き合うことになってから、約一週間が経った。


私たちはあの文化祭の公開告白をきっかけに、一躍有名カップルになってしまい、学校でも注目の的に。


彼方くんと一緒にいるとすれ違うたびにジロジロ見られたりするので、正直とても恥ずかしかったけれど、それ以上に両想いになれたことがとても幸せだった。


「それじゃ璃子、また明日ね」


放課後、帰りの支度を終えたあとカバンを持って璃子に声をかけたら、璃子はニヤニヤした顔で腕を小突いてきた。


「おっ、雪菜。お疲れ~。今日も王子様と一緒に帰るのかしら~?」


なんて言って冷やかしてくるところは相変わらずで。


「……ちょっ、王子様って、その言い方やめてよ」


「だって仕方ないじゃん。王子の姿で派手に告白してたしさぁ。彼方くんのあの顔はどう見てもリアル王子様って感じだしね。このあと彼と待ち合わせてるんでしょ?」


「うん」


ちなみに璃子は私と彼方くんが付き合うことになったのをすごく喜んでくれて。


文化祭の後に、私がそれまでのいきさつと、実は前から彼方くんに惹かれていたことを正直に打ち明けたら、「てか、そんなの知ってた。見てたらわかる」なんて言われてしまい、ちょっと拍子抜けしてしまった。


私の態度、けっこうバレバレだったみたい。


こんなことならもっと前から璃子に相談しておけばよかったのかもしれない。