翌日の朝。私は登校するなり、自分の席に座ってボーっと一人考え事をしていた。


なんだか今日はもう、本を読む気にもなれなくて。


昨日のショックからいまだに立ち直れない自分がいる。


彼方くんがまさか、陰であんなことを言っていたなんて。


あんなふうに思っていたなんて。


もう、いったい何を信じたらいいのかわからなくなる。


彼方くんは結局、私のことをもてあそんでいただけだったのかな?


彼はずっと、女の子をゲーム感覚で口説いていたってこと?


今までの「好きだ」って言葉も、あの真剣なまなざしも、時々照れて真っ赤になる彼も、全部全部ウソだったのかな。


「初めて本気で好きになった」って、あの言葉も、私だけじゃなく、いろんな人に言っていたってことなのかな……。


彼は「雪菜だけは違う」って、言ってくれた。私はそれを信じたいと思ってた。信じてた。


でも、結局それは私が自分で自分を彼の〝特別〟だと勘違いしていただけで。本当は特別でもなんでもなかったのかもしれない。


陸斗先輩を好きになった時と同じで、すべては私の勘違いだったのかな。


信じた私がバカだったの?


「俺は裏切ったりなんかしない」って、言ったのに……。