授業をサボったことで担任からお小言を喰らったものの、看板は無事に完成して文化祭を迎えた。



展示当番の時間には10分程早かったけど、私は展示場へ向かうことにした。



私の前は2年だから、ギリギリに来たらイヤミ言われそうだし。



展示会場の中にいる人間を見て、私の足が止まる。



何で、ジイサンが来てるワケ!?



中に、入りにくいんだけど。



ジイサンは次期部長と喋って…ってか、指導してる。



ジイサンの門下生だったんだ…。



「桐生さん、何ぼーっとしてるの?

中入るよ。」



一緒に当番をやるコに話しかけられて、私は中に入ることができた。



受付についた私に気づいたのか、ジイサンがこっちに向かってきた。



「若菜、お前の展示作品を全て外せ。」



何で、そんなことしなきゃなんないわけ?



私はジイサンの言葉にそっぽを向いた。



「こんな駄作を展示して、桐生の名を汚す気か?

外す気が無いなら…。」



ジイサンはそう言うと、私の作品に手をかけて引き剥がした。



「展示してるものに、何てことするんですか!

止めてください!!」



桐生倖嵐が来てると聞いたのか、会場に駆けつけた部長がその光景を目にして叫んだ。