真新しいセーラー服に袖を通し、ナチュラルメイクを施すと、ドコにでもいるフツーの女子高生のできあがり。
だけど、鏡に映る部屋はとても女子高生のものとは思えない純和風の造りだ。
襖を開け、玄関まで出たところで呼び止められた。
「お嬢さん、旦那様方へ挨拶をしてからお出かけ下さい。」
書生のくせに、私に指図するなっつーの。
「遅刻しそうだからっ!」
私は、急いで家を飛び出した。
だけど、平屋建ての家が見えなくなったところで、急ぐフリをやめて歩きだす。
遅刻しそうなんて、真っ赤なウソ。
どうせジーサンを筆頭とした家族に、イヤミの1つや2つや3つくらい言われそうだから避けてるだけ。
何せ、お兄ちゃんと違って名門校に落ちた私は、滑り止めの学校に通うワケだし…。
私、桐生若菜(キリュウ・ワカナ)。
この春から、花の女子高生。
入学式を明後日に控え、電車に乗って向かうは学校。
え?
何で、入学式前に学校に行くかって?
私だって、好きで行くんじゃないんだよね…。
だけど、鏡に映る部屋はとても女子高生のものとは思えない純和風の造りだ。
襖を開け、玄関まで出たところで呼び止められた。
「お嬢さん、旦那様方へ挨拶をしてからお出かけ下さい。」
書生のくせに、私に指図するなっつーの。
「遅刻しそうだからっ!」
私は、急いで家を飛び出した。
だけど、平屋建ての家が見えなくなったところで、急ぐフリをやめて歩きだす。
遅刻しそうなんて、真っ赤なウソ。
どうせジーサンを筆頭とした家族に、イヤミの1つや2つや3つくらい言われそうだから避けてるだけ。
何せ、お兄ちゃんと違って名門校に落ちた私は、滑り止めの学校に通うワケだし…。
私、桐生若菜(キリュウ・ワカナ)。
この春から、花の女子高生。
入学式を明後日に控え、電車に乗って向かうは学校。
え?
何で、入学式前に学校に行くかって?
私だって、好きで行くんじゃないんだよね…。