「それはすごいね」

由菜は感心したと言うように返事をした。

「でしょ?

あたし、あの時に休憩に行ってなかったら索様とお近づきになることができなかったかも知れない!」

興奮したように話をしているあたしの隣で、由菜はカフェオレを飲んでいた。

あたしはピーチティーを口に含むと、
「もうどうしよう…。

あたし、絶対に一生分の運を使い果たしたかも知れない…」

ギュッと、マグカップを包み込むように握りしめた。

「由真ちゃん、社長と仲良くなることができてよかったね」

そう言った由菜に、
「ありがとう、由菜。

これも全部、由菜のおかげだよ!」

あたしはお礼を言った。

「ところで…だけど、由菜には何かあった?」

そう聞いたあたしに、
「えっ、何が?」

由菜は訳がわからないと言うように聞き返した。