「………あ。」
私は学校へ行く準備を終え、家を出ると向かいの家から一人の男が出てきた。
同じ制服を着ている男は小さい頃からの付き合いで、いわゆる幼なじみってやつ。
「はよ。」
そんなクールでポーカーフェイスな幼なじみの名前は東崎 誠(とうざき まこと)。
誠はたいてい同じ時間に家を出る。
だけど私は遅い時が多い。
たまに準備が早くできた日にはこうして誠と会って一緒に学校へ行く。
だけど私はできるだけ毎日誠と一緒に行きたい。
なぜなら……
私の好きな人と誠はいつも一緒に学校へ行ってるから。
学校へ向かう途中の駅で、その好きな人が乗り込んでくるのだ。
それが目的で私は毎日準備を早くしてるけど、間に合わない日の方が多い。