「うわー!あった!番号あったよー!」

「二人で合格じゃん!」


春、桜の満開の時期。


私……

真田(サナダ) マキは目の前の受験番号がズラーッと並べられた掲示板を凝視している。

何度も何度も自分の受験番号の紙と掲示板の番号を照らし合わせて確認した。


私はずっと憧れていた“王冠学園”に受験した。


そして今、見事に合格したのだった。

紙を握り締め喜びをかみしめる。


親友の宮森 ゆきのも見事に合格。

二人で仲良く学園へ通えることに嬉しくて仕方がない。


「良かったね~頑張った甲斐があったよ」

「ホントホント。まさか受かるなんてねー?」


まだ中学の制服を纏ったままの私達。

帰り際に門のところから学園を眺めていた。

学園から門までの道には桜の花びらでいっぱいになっており、ピンクの絨毯が出来上がっている。


「あ!あの人カッコよくない?」


イケメン探しが得意と自称しているゆきのが指差した方向には…

私でさえも見とれてしまうほどのカッコイイお兄さんだった。

二人で見とれこっちに来るねー!などときゃっきゃ騒ぎながら横目で通り過ぎた。



これが私とアナタの最初の出逢いだったのかもしれない───…