翌日。

会社に行くと先輩は、いつも通り淡々と仕事をこなしていて、私も負けじと近くにあった書類を手に取った。

「ねぇ、手伝おうか?」

優しい声に顔を上げると、そこには職場内で先輩と同じぐらいに人気の人物である、チーム長だった。

チーム長は通称『白馬の王子様』や『天から舞い降りた天使』等と呼ばれている。

先輩は通常『絶対零度の王子様』と呼ばれているらしい。

話が逸れてしまった。

それで、目の前に居るチーム長は私の書類を見かねてか優しく声をかけてくれたらしくて私が平気だと言おうとすると、私の髪に手を置いて優しく撫でてくれた。

「チ、チーム長!?」

「ふふ。顔が疲れてるって言ってるよ?少し休んでね」

「う・・・あ、ありがとうございます」

「じゃあ、また」

天使のようなスマイルを向けてチーム長は歩いていった。

皆に手伝ってもらってばかりで悪いな・・・。

そんな事を考えていると急に腕を掴まれた感覚が襲ってきた。