--ガラッ


連れて来られたのは.........倉庫。

ここに連れて来たのは.........智季。

「...何の用?」

何気なく、聞く。

「なぁ...お前は......誰のもの....?」

虚ろな顔で、ポツリ、と呟いた智季。


枻くん程ではないが、そんな顔をしていても、かっこいい。

とは思うが、谷澤教授の授業を勝手に抜けた上、枻くんに知られないよう、わざと教室から出たように感じた私は、智季に悪態を付く。

「はぁ?何言ってんの?」

「波音...いつからああなった?」

「ああなるって...どうなるの?」

「.....積極的じゃなかったよね、て話。」

「...!!!!」

頬を染める。


理解したからだ。智季が何のことを言っていたのか。

「............見てたの?」