授業中。



入学早々、リスペクトしていた教授の授業。

...うん。やっぱり、分かりやすい。


一日に必ず、谷澤教授の授業が二回ある。
コミュ障のせいで楽しめない一日を、教授の授業だけで、楽しかった一日に塗り変える。

と、まぁ、こんなに楽しそうに授業を受けている人を見たことがないのか、隣の枻くんはじーっとこちらを見ている。

180度の視界の隅っこで、確認することができた。


私は、決して横は見ずに、口を開く。

「...枻くん。お願いだから、授業に集中させて?」

教授の授業が、いくら夢中になると言っても、隣でイケメンにガン見されていたら授業どころじゃなくなる。

「え。波音は大好きな彼氏より、あんなケバイおばさんの方が大事なの?」

ごめん、気になる単語が三つ出てきた。