二



 なんだかちょっと怖そうな、だけど丸眼鏡くんの友達だという男二人組に導かれるままに歩いてきた先は――。

「あの……、ここですか?」

 ひとけのない路地裏だった。

 さっきまでジャラジャラとお店の外まで大きな音が聞こえてくるパチンコ屋さんや、彩りが綺麗なお花屋さん、誘惑に負けてしまいそうになるケーキ屋さん、ちょっと派手な服を売っている服屋さんが並んでいる通りを歩いていたのに。

 こんなに薄暗くて静かな場所に来てしまった。

「信じちゃって。うぶだねぇ」
「彼氏に置いて行かれたのか?」

 ――!?

「そんな男、放っておいてさ。俺らと遊ぼ」
「名前なんていうの? その制服、頭のいい学校だよな。お嬢さんって感じで可愛いな」

 ちょっと待ってよ。

「さっき丸眼鏡くんを見たって言いましたよね?」

 だから、ついてきた。

 知り合いだって。

 見かけたって言うから。

 なのに――

「嘘に決まってんじゃん」
「お前を連れ出す口実」

 ……ダマサレタ。

「は、離して下さい!」

 茶パツの男に後ろから両腕を掴まれて身動きがとれなくなる。

「手荒なことされたくなかったら、大きな声は出すなよ?」
「なにするつもりですか!?」
「バカだよなー。信じてついてくるとか」
「大人しくしてろよ。優しくしてやるから」

 金髪の、顔面が近づいてくる。 

「やっ……」