「おい!見ろよ!夢路さんだぜ!」


「うわっ!やべー...めっちゃ綺麗....」



廊下を歩く私を見て、男子の集団がそんな事をコソコソ話のが聞こえてくる。



そんな彼等と目が合い、私はにこりと笑いかけた。



すると、彼等の顔は一気に赤く染まった。




「...まじやべーよな、夢路さん...」


「美し過ぎる...」


「この前の模試も一位だったし...」


「しかも、名家のお嬢様だとか...」


「やっぱ、高嶺の花だよなあ...」



夢路美咲は、私の名前。



こうやって、コソコソ噂される事にも慣れた。



高嶺の花。



私は、この学校の人にこう呼ばれているらしい。



...ああ、鬱陶しい。