いつも通りの平和な日常。
私は好きだった。少しもおかしくない平凡な人生を送る為に目立たずに普通の生活をしてきた。
そんなある日、新しい担任の先生が教室に入って来た。
その瞬間、教室がざわめいた。
(・・・主に女子だけど)
入って来たのは本当に先生かと言うほど若い先生で、とても整った顔をしている。
「新しい担任の藤原直樹です。宜しく」
シンプルな挨拶と共に女子の悲鳴が大きくなった気がするが、気のせいではないだろう。
それと一緒に、男子の溜息も聞こえた。
「あー・・・っと自己紹介は省いて・・・・・・とにかく面倒を起こさないでくれ」
「「「「はーーーい!!」」」」
ん?今先生と目が合った気がする。
「おい。端に居る女子」
「わ、私ですか?」
「運ぶ物があるから手伝って」
「は、はい」
指名されたのは何と私で一瞬だけ女子の冷たい視線が刺さったが気にせずに、先生の方へと駆け寄り教室を出た。