翌日の朝。


俺は、聖里奈と共にアジトへ向かっていた。




引退式は俺達3年が主役だからか、翼咲や妖斗に真凛、それに今日から白龍に入る朔はすでにアジトにいる。



どうやら翼咲は次総長の権限で、桃華もアジトに連れてきたらしい。




……大方姫にするつもりなんだろうな。




「……ねぇ光輝、いいの?」



バイクを加速させてアジトに着いた直後、隣にいた聖里奈が悔しそうな顔をして聞いてきた。





「何が?」



「分かってるでしょう?引退して1人になることが増えたら、光輝は……っ」




聖里奈は泣いていた。





俺は、生まれて初めて幼馴染の涙を見た。






「……聖里奈、だからって俺だけ引退しないわけにもいかないだろ。それに、これは俺とクソ親父の問題だ」



もう11年以上経ったんだ。




……いい加減、ケリを付けないといけないよな。