【夏葵side】


「おばあちゃん、おじいちゃん。
短い間だったけど、たくさんお世話になりました」


ついに来てしまった、別れの日。
長いようでとても短かった夏休み。


「こちらこそ来てくれてありがとうね。
可愛いなっちゃんを見れて楽しかったよ」

「またいつでも来てくれていいからな」


優しいその言葉に思わず涙がこぼれそうになるけど、必死に笑顔を浮かべた。

大好きなおじいちゃんとおばあちゃん。
いつだって私に無償の愛と優しさを注いでくれた人たち。

今日で最後なんて信じたくないなあ。
おばあちゃんとおじいちゃんに誕生日プレゼントとしてもらった洋服を来ている。

白いオフショルダーのワンピース。
髪の毛は手先が器用なおばあちゃんにハーフアップにしてもらった。