【咲都side】


好きなのに、お互い想い合っているのに
どうして、結ばれないんだろう。

好きだけじゃ、ダメなのか?
それだけじゃ、一緒にいる理由にはならないのか?

ナツが俺の頬にキスをした温もりが感覚が未だに切なく残っている。


「はあ、明日から学校って言うのに呼び出されていい迷惑だ。明日から毎日嫌ってほど来ねえといけねえのにさ」

「そんな事言うなよ。我が親友よ」

「うっせえな」


隣でブツブツ文句を言っている健吾をみて、クスリと笑いながら視線を野球部が必死に練習している姿へと映す。

部活が終わり、俺と健吾は屋上に来ていた。
というより、俺が無理やり連れてきたんだ。

また、ナツがいなくなるんだよな。
俺はどうしたらいいんだろう。
引き止めたい、だけど、それがナツにとって正解なのかわからない。

もう、何が間違いで何が正解なのかわからない。