ケータイ小説 野いちご

この作品のキーワード

それでもキミが好きなんだ

▼ Amethyst





【咲都side】


「琴音……!」

「……っ、」

「なんで逃げるんだよ」


ナツに琴音を追いかけろ、と言われるがままに俺は必死に探して逃げる琴音を追いかけた。

琴音は俺がすべてを諦めた時期にずっとそばで支えていてくれた人。とても感謝しているし、好きだと言える。だけど、どうしてもナツの存在が心をちらつくんだ。

それに琴音も気づいているのかもしれない。

だからなのかわからないけど、ナツが戻ってきてからというもの少し態度が変わり、以前よりも俺を束縛するようになった。

俺も心配させないようにしていたつもりだった。
でも、いざナツを目の前にすると体が勝手に動いてしまうんだ。


「……さき、と?」

「……なんで泣いてんの?」

「どうして、ここに?」


明らかに動揺している琴音。

そうか。ナツは俺に琴音が隠していることにちゃんと向き合って欲しかったのかもしれない。

なんとなく様子がおかしい時があるのには気づいていたけど、何も言ってこないから知られたくないことなのかもしれないと思い、知らないフリをしていた。


< 189/ 310 >