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それでもキミが好きなんだ

▽ Fibrolite



【夏葵side】


「おばあちゃん!おじいちゃん!
おかしいところない?リップはみ出してない?」


季節はあっという間に流れ、今日は八月十四日。
サキと約束した四人で花火大会に行く日で朝から大忙し。

外では蝉がミーンミーンとうるさく鳴いている中、私はおばあちゃんとおじいちゃんに最終チェックをしてもらっていた。


「大丈夫。すごく可愛いよ」

「とても似合ってる」


二人は優しく微笑んで記念にと手に持っていたガラケーでパシャリと私の姿をカメラに収めた。

そんな二人の行動に少し恥ずかしさを感じたけど愛されているのだと思うと頬が緩んだ。


「絶対、咲都くんも惚れ惚れしちゃうよ」


おばあちゃんが嬉しそうに笑いながら言った。
そう、私は結局サキの推しに負けて浴衣を着ていくことにした。

薄紅色の花に黄色小さなの花が混じっている可愛らしい浴衣。

私には似合わないと思ったんだけど、おばあちゃんとおじいちゃんが私のためにせっかく買ってきてくれたから着ないわけにはいかない。


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