セーラー服。

家に帰る人物がいた。

真夜中、1:00。

およそ女子中学生や女子高生の帰宅時間とは思えない時間に、セーラー服の小柄な人物が家路に着いていた。

鼻歌を歌ってはいるものの顔を伺えば無表情だった。

その人物は、ひとつのポストの前で少し不可解そうに足を止めた。

こんな所に昨日まではポストなんかなかった。

勿論そのこと自体は自分の家の前なのでセーラー服の人物の記憶違いなどではないし、そもそも自分の家の前にポストやらが立てられるとすれば事前に教えられていた筈であった。知っていた筈だった。

特に何も教えられていなかった。

血塗られたような真っ赤なポストには一通の手紙が入っていた。まるで、その手紙を入れるためだけに設置したようだった。

セーラー服は手紙を取る。