宮寺を廊下に連れ出して、壁に押し付けて胸倉を摑み睨み上げた。


「宮寺。誰なんだ、教えろよ」


「お前な……人にもの頼む態度じゃないだろ、どう見てもこれ」


「お願いしたら教えてくれんのか? 春芽も雲居も華取さんも二宮さんも、誰も教えてくんなかった、あいつの相棒のこと」
 

険のある声で問い詰めると、宮寺は薄く笑った。


「教えないな。相棒(そ)のことは、俺が唯一握ってる神宮の弱みだから」


「………」
 

やっぱり、弱みに分類される対象なのか。


「吐け」


「無理」


「言え」


「断る」


「――もしかしてそれ、お前だってオチじゃないよな?」


「……だったらどうする?」
 

宮寺は口の端に笑みを見せた。俺は目つきを更に鋭くする。


「弟子入りする」