「優梨、どうしたの?
なんか今日不機嫌だね。」
その言葉にはっと我に返る。
今日は始業式で午前で終わり午後から部活のため、三年のバスケメンバーでお弁当を食べていた。
「いや、なんでもないよ。
ちょっとぼーっとしてただけ。」
まさか部活の子にも指摘されるほど顔に出ていたとは思ってなくて、そんな自分に驚く私。
そもそも何、気にしてんだ。
別に彼に不自然な笑顔って言われたって、何も起こるわけじゃないしどうでもいいこと。
だから気にしなくていいんだ。
「そう?
……あ、てかさ、確か優梨のクラスに転校生きたんだよね?
明るくて顔もいいって、結構広まってるんだけど。」
「あたしのクラスもだよ。
友達みんな転校生の話してた。」
……せっかく忘れようとしてたのに、彼の話をされまた思い出してしまう。