「電車の中でも暑いって最悪だよな!」
「颯汰が暑苦しい……」
「なっ!それは酷すぎるぞ!」
いつもの朝。
いつもの電車に乗ると、颯汰がもう待っている。
気づけば夏休み直前の今日は終業式。
あれから颯汰との進展はなし。
手をつないだのもあの日が最後。
何回か一緒に帰ろうと言われて帰り、何故か家まで送ってくれたこともあった。
本当にそれだけ。
当たり前の毎日、平穏な毎日が続きすぎて逆に不安になる。
目の前にいる颯汰が、ふと消えてしまいそうで。
「今日で一学期も終わりかぁ。
早かったなぁ。」
少し寂しそうな顔をする颯汰。
その言葉に心臓が嫌な音を立てた。
それはどういう意味で言ってるの?
二学期からも当たり前のように来てくれるよね?
見た感じ、颯汰の見た目は特に変わりはなく病気とかではなさそうだった。
なのに消えるってどういうこと?
また転校……するの?
なのに消えるって言葉、普通使う?