ドキドキ、してる。
心拍数が上がったのだ。
今はまだ試合ではなくて、違うチームが試合をしていた。
この試合が終わり次第ウォーミングアップが始まり、試合の準備をする。
チラッと時計を見ると、もうすぐで1時を過ぎるところ。
もうすぐ、来る。
お父さんとお母さんが。
まだ確実じゃないけど、お父さんの仕事が順調に終われば来るのだ。
でも間に合わなくて来なかったらどうしよう、なんて少し不安もある。
「優梨?顔強張ってるけど緊張してるの?」
その時鈴香に話しかけられ、はっと我に返る。
「あ、ううん大丈夫。
今日は頑張ろうね!」
「うん!」
今日は頑張ろう、と意気込んでるけど残念ながら相手は毎回ベスト8以上のチームで強豪で。
結果は目に見えてるけど諦めるわけにはいかなかった。
ここで勝てば、いいところを親に見せられる。