「どう思う」

 警察署を出たパーシヴァルは、歩みを進めながらラクベスに尋ねる。

 資料が入った箱の中には、夢木が言っていた監視カメラの映像が入ったUSBメモリもあったが、ラクベスはそれを手にしなかった。

 夢木の言葉で大体の想像は出来たことと、手にしたシャツからにじみ出た記憶が石動の持つ力がどういったものなのかを充分に理解させてくれたからだ。

「かなりの逸材だと思います」

「やっぱりあれは、そういうことなのか」

 それにラクベスは無言で頷き、表情を険しくした。

「行くか」

「はい」

 二人は改めて裁縫屋に向かった。