ケータイ小説 野いちご

さようなら、ディスタンス。

②イコール時間×速さ
反射







夏休みに入ったある日。高校時代の友達2人から連絡があった。



1人目は、未織の兄――紫音くん。



『なーなーお前いつ実家帰る?』



彼は仙台の大学に進学している。僕の帰省に合わせて彼も実家に帰るのだという。



「大阪と名古屋のライブ終わってからかな」


『すげーツアーもやってんの? それより動画見たよ。新曲めちゃくちゃいいじゃん』


「ありがとう」



そうだ。未織の様子、紫音くんなら知ってるかも。



「あのさ、未織は最近どう?」


『ん? 俺最近実家帰ってねーしなぁー。たぶんお前の方が詳しいべ?』


「あはは、そうだよね。ちなみに紫音くんは彼女できた?」



未織と別れたこと、紫音くんはまだ知らないのか。


今、電話で言うことでもないから、また会った時に伝えることにしよう。


予定が分かったら連絡すると約束し、通話を終えた。



そして、2人目は……



麻里奈『大阪でライブするんでしょ? 行くよ!』



地元でもよく僕のライブに来て盛り上げてくれた友達――麻里奈だった。



彼女も僕と同じで、地元の大学を蹴って遠い大学に進学した。確か、京都だったっけ。



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